叶わぬ願い

最近俺は骨董品の蒐集にハマっているのだが、ついにランプの妖精に出会ってしまった。

 

先日購入した古びた小汚いランプ。被った埃を落としてやろうと布で擦っていたところ、煙と共にボンッと出てきたのだ。

 

なんだっけか、確か願いを叶えてくれるって言い伝えがあったんだっけ…。

そんなことを思いながらぼんやりと眺めていると、そいつは腕を組み、おもむろに話し始めた。


「あーあ、最近はどうも世知辛いね。科学ってもんが発達しすぎて、神だの精霊だのを心から信じてるやつがいなくなっちまった。昔は天気一つ変わるたびに神に祈りを捧げてたのに、今や人の手で天気を変えられるんだもんな。夢もへったくれもねえよ。ちょっとは俺たちのことを崇める心を持って欲しいもんだ…。」

 

 

そうしてぶつぶつと恨み言を言いながら消えていった。


おいおい、俺の願いを聞いてくれないのかよ、とちょっと不満に思ったが、

 

まあいいか、こいつもどうせ、よくできたホログラムか何かなのだろう。